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「わかってます。断ります。あんな腐りきった部署へは行きたくない。
吾妻参事官の命令で霧島課長を逮捕した際、吾妻参事官に本庁勤務を打診されて断った。今さら、何を言いたいんだ?」
三島は冷静にそう告げた。
署長も冷静になった。
「上からの命令に背くとどうなるか、わかってるか?」
「格下げか、解雇だろう?したければすりゃあいい。職務に戻る」
こんな馬鹿げた人事に付き合ってられない・・・。
三島は藤原署長の机に背を向けた。署長室を退出しようと思った。
「待て!指示を仰ぐ・・・」
署長はその場から警視庁捜査第一課の東条肇課長(警視)に連絡した。
「三島が特命を拒否すると言っています。
『霧島課長を逮捕した際、吾妻参事官に本庁勤務を打診されて断った』
と本人が報告した、と主張してます」
「特命拒否の報告は今かね?」と警視庁捜査第一課の東条肇課長。
「はい。そうです。格下げや解雇は承知の上だと言ってます」
「そこまで拒むのは、なぜかね?」
「本庁の腐りきった部署へ行きたくない、と言ってます」
そう言って署長は三島を見て片目をつぶり目配せした。署長も、本庁の内情を知っている。
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