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十五 同期の懇親会
午後九時だ。午後六時から始まった同期の捜査会議は三時間に及んでいる。
「さて、話はこれくらいにして、飲むか?
ふたりとも、明日は非番にしたんだろう?」
三島は明日の非番を再確認した。
「ああ、非番だ」と大島と池上。
「父も母も、二人が来ると話したら、楽しみにしてたんだ。
なんせ、卒業以来だからな。
二人とも親になったもんだから、私も早く親になれとうるさいんだ。
まだ、相手もいないのに・・・」
三島の言葉に大嶋と池上が苦笑している。
「何だよ。私か言うと、変か?」
「そんなことはない。三島は美人だ。引く手あまただろう?」
大嶋が真顔で言った。三島はアマゾネスだ。美人で肩幅が広くて背が高い・・・。
「まあ、いい。晩飯にしよう。
二人とも、奧さんに、泊りだ、と話してきたんだろう?」
三島は大嶋と池上の妻たちとは顔馴染みだ。
「明日は非番だ、と三島のお袋さんに話したら、お袋さん、我家と池上の家へ電話して、
『今夜は我家に泊めるから』と言ってたぞ。
嫁に気を使ってる。ありがたいよ」と大嶋。
「三島のお袋さんらしいな。仕事がらみだと気づいてる・・・」
大嶋が感心して続ける。
「今回の事件。親爺さんに訊いたらどうだ?」
「私は父の存在を忘れてた。父は自分から志願して交番勤務だったらしい。父が何をしてたか詳しく知らないんだ・・・」
三島がそう言っていると、座敷に三島の父が現れた。
「そろそろ、飯にせんか?」
「噂をすればだな・・・。さあ、飯にしよう」
三島は二人を居間の食卓へ移動させた。
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