43人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「いや、いいんだ。気にするな・・・」
この場で、この言葉が橋下巡査から出るのは当然の流れだろうか・・・。本心からそう思っていれば、このように発言せずに、得られた情報を密かに連絡するはずだ。あえてこのように発言するのは、自分たちが無関係で父が関係しているとの腹の内で言おうとしているのではないか・・・。
「・・・こうして訊いていれば、橋下巡査の言う通りかも知れんが、私は父が無関係だと示したいだけだ」
三島は、父が一昨日の夜に話した助言を只野巡査部長たちに話そうか迷った。
話せば、只野巡査部長は、私が特命で今回の惨殺事件を調べていると推測するだろう・・・。今はこの三人も父も、被疑者だ・・・。
「貴重な時間を潰して、すまなかった」
三島は三人に礼を言って御辞儀した。
「父上に関して何かわかったら知らせます。
任せてください。父上は無関係ですよ」
只野巡査部長はそう言って三島に微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!