きっかけは甘い声……?

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 どうにか型に詰めたそれを湯煎で蒸し焼きにすること四十分。  粗熱を取って冷蔵庫で冷ます間にコンソメ香るビシソワーズを完成させ、人数分のグラスに盛り付けてパセリを散らした。  残すは本日のメインのテリーヌを盛りつけるだけ。 「失敗したら里見さんと連帯責任ということにしちゃいます」 「連帯責任ですか――仕方ないですね」  透子に向けられたのは不満ではなく子供のような笑顔。 (綺麗に出来上がっていますように!) 「さあ、断面を見せてちょうだい」  お姉さまの号令で型から出した大きなハンバーグのようなそれにナイフを滑らせた。ずらして確認した断面にはブロッコリーと赤と黄色のパプリカ。少しブロッコリーが傾いているのはご愛嬌。 「わあ、おいしそうですね」  沸き上がった歓声に里見と顔を見合わせて胸をなでおろした。 「上手くできたじゃないですか」 「もう一度やれって言われたら絶対に失敗しますよ」  お皿に綺麗に盛り付けてフリルレタスを添えて出来上がりだ。  冷えた白ワインのコルク音が楽しい大人の時間が始まる合図。 ※※ ああ、ワインが欲しくなってきました。 もう少し続きます( *´艸`)
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