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ちょっと冷静にならなくちゃ…気持ちを整えようとしたが、荒川先輩が私の耳に口を近づけてきた為そんなことも叶わない。
「俺もロウのこと好きだけど、でも、ロウばっかり味方するわけにはいかないからさ」
アイツ、一生懸命暴走しちゃうじゃん?、そう加えて荒川先生はくつくつ笑う。
耳のそばで笑われると、息が肌に露骨に当たってくすぐったいからやめて欲しい。反射的に距離をとりながら、今度こそ意識的に荒川先輩を睨む。
荒川先輩はどこ吹く風だ。
「愛の力で、ロウを救ってよ」
おちょくるような軽い言葉に妙な重みを感じつつ、しかしやはり、意味がわからない。
「救うって、何からですか?」
「んー…ロウに取り憑いている怨霊から、かな?」
「おんりょう?」
まさかなホラー展開に面食らう。
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