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荒川先輩の的確な指示は更に続く。
「コピーは高田さんにお願いしても良い? 先生への確認は、池田さん、良いかな」
いや、それが的確かどうかなんて、私にはわからない。それでも、荒川先輩の提案があるごとに、空気が緩むのは肌に感じる。そして確かに私も、動きやすさを感じる。
生徒会役員達の、荒川先輩への信頼は、不可解なほど絶大だ。その背景に、荒川先輩の誠実な態度や、明朗な性質、場を読む能力などといった要素があるのだとは思う。
それでも、私は腑に落ちなかった。
三上先輩が大なり小なりやらかして、荒川先輩がフォローして、無事に終わる。これは、今回だけでなく、生徒会での毎度のパターンだ。そしてこのパターンが、私には心の底から納得できないのだ。
荒川先輩は、どうしてこうも毎回、三上先輩がやらかすのを放置しているのだ。まるでソレを待っているかのようだ。
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