呪念満ちしその時に

7/22
前へ
/22ページ
次へ
「…あー…、米川さん、何か言ってた?」  何かと言われて一瞬息が詰まった。“何か”に思い当たるコトがありすぎる。  米川先輩は、一年時のクラスメイトである三上先輩が大嫌いだ。だからこそ普段は話題になどしない。  滅多にない三上先輩の話は、しかし濃厚だった。  一年の最初のクラス会から強固な自己主張と強引な論理展開をかましたこと。  自分を理解しないクラスメイトに対して見下すような態度を取るようになったこと。  仲間内で話していた愚痴を、当の本人にバラしてしまったこと。  クラスグループチャットで暴言を吐いたこと。翌日、それを眠気のせいにして軽めにチャット内で謝罪したこと。  スクールカウンセラーを法的に訴えようと企画したこと。  それら全てが、一年間の行動だというから、三上先輩の抜きん出た尖り具合が察せられる。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加