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しかし…。
どうやらここいらで
限界が来たようだ。
足はボロボロになり、
働ける場所もないような
砂漠を進んでいる。
金も食料も水分も尽きた。
走馬灯のように
過去を語っていたのは、
もう今際の際だと悟っているからだ。
どのみち人間は死ぬ。
それが今になっただけで、
何も珍しいことではない。
目指してきた自分の後ろ姿
というものも、
死ぬ間際には滑稽に
思えてきてしまった。
しかしそれなりに
楽しかったのかもしれない。
充実していたのかもしれない。
厳然たる事実として、
辿り着けなかったという
結果だけが残るが、
それもこれもあの世では
なんの汚点にも
不名誉にもならないだろう。
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