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リボンの用途 男子編
「お母さーん!
化繊のリボンって燃えるゴミでいいの?」
すると、たかしが素早く反応した。
「なに、姉ちゃんそれ捨てんの?
ならオレにちょうだい!」
「え? シワの跡がついちゃってるけど……」
「シワ、ノープロブレムです!」
「なら、まあ。」
姉はリボンを渡した。
幅1センチほどの、細めのリボンだ。
「うーんナイス!
こういうの欲しかったんだよねー。
ありがと、姉ちゃん!」
たかしはリボンをしまいにか、部屋に行った。
その数日後のことだった。
友人と学区内のファンシーショップに行った姉は、奇妙な光景を見た。
リボンコーナーに、小学生とみられる男子が黒山になっていた。
「この幅よくね?」
「レースって、すれちまうかな?」
「あ! これ伸縮性ある!
面白そうだな。」
いったい、なんの話をしているのか。
姉はそれとなく耳をそばだてていたが、さっぱりわからなかった。
その期間、小学校では、あるゲームが流行っていた。
「鼻からピーナッツ!」
「2連射!」
「秘技・同時にピーナッツ!」
「もー!
やめてよ男子!」
「汚ない!」
「こっちに飛ばさないでよ!」
女子はもろに嫌がっている。
男子たちは聞く耳もなく、鼻にピーナッツを補充しては乱射している。
鼻息で、ではない。
ピーナッツを鼻の穴に詰める際、リボンを鼻穴に当ててから浅く詰めて、リボンの両端を持ってぴん!と勢いよく張ることで飛ばしているのだ。
「いったい誰が始めたのよ!」
リーダー格の女子がついにキレた。
それに応えた者があった。
「それはわたくし、わたくしで~ございます。」
なぜか選挙カーふうに言った。
そいつは・・・
たかしであった。
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