32人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅ~。さっぱりした~」
お父さんがお風呂から上がり、またビールを飲む。
そして、お母さんが用意したおつまみを、食べながらまた、ビールを飲んでいる。
幸せそうに。
“のんきなもんだよ。私はテレビ戦争に必死なのに!”
午後九時までの間、ずっと私は作戦を考えた。
“CMチャンスが使えないとしたら、どうするか・・・。”
えっ?お父さんが譲れば、それで済む話だって?私もそう思う。
これは、ただお父さんが、譲ってくれればすむ話だ。何も難しくない。
が、私のお父さんは、譲るとか、思いやりとかっていう人間としての優しさを、どこかに置き忘れたみたいなんだ。
私も、もうそこには期待していない。
自分の部屋に行き、ベッドの上でじっくり考える。
どう考えても、チャンネルを奪うことは難しい。
最初のコメントを投稿しよう!