2パーセント

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「あ。でも何もしてないから安心して」  ……ぬぬ? 「え。…な、何もしてない!?」 「うん。100パーセント何もしてない」  ひゃ、ひゃくぱーせんと…だと?  そ、そんなわけないだろう。  普通無防備なOLが男子宅で寝ころんでいたら、何かムフフな悪戯したくなるだろう?したくなるだろう男子なら。  100パーセントはなかったとしても、35パーセントくらいはスケベな事したくなるだろう?するだろう?  それが健全な日本男児ではないのか?と、永戸さんを見つめながら納得できないでいると、急に彼の視線が首元に落ち、「あー…」と後ろめたさでもあるような声を出すではないか。 「いや、でも2パーセントくらいは何かしてたね」 「2パーセント何かしたの!?」 「うん…。ごめん。俺も昨日は酔ってたから…」  その2パーセントの詳細を訊きたいのだが、永戸さんが気まずそうにするので、内容がわからないのに私も気まずくなって心拍が一気に加速する。  一体どんな2パーセントをしたんだ永戸さんは。  いいやここはきっちり訊くべきだろうと口を開きかけたが、その前に「朝ごはん作ったけど食べてく?」と訊かれてしまったので、口は閉じたまま私はこっくりと頷いた。  なんだか珍しく、食欲があるのだ。
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