2パーセント

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「すぐ用意するから座ってて」    ダイニングテーブルの椅子に座っている間に、永戸さんは慣れた動作で私の前に食器を並べていく。  湯気の立つお味噌汁にふっくら白米、ぷっくりしただし巻き卵。ふりかけや鮭フレークの瓶なんかまで棚から取り出して置いてくれる。  その際に、あのカピバラーベイビー達を撫でていたエロさ引き立つ手が私の目前を舞うのだ。  朝からなんて刺激の強いパフォーマンス。  脈拍はドックンバックンと暴れてしょうがないので、休憩を挟もうと丁度正面上にある窓へ視線を移した。  そして驚いた。  なんと、私が住んでいるマンションがその窓から見えたのだ。この距離なら徒歩二、三分くらいか。  こんなにご近所さんだったなんて。 「あそこに水色の壁のマンションがあるでしょ?」 「え?あー、うん」 「あれ私が住んでるマンションなの。505号室だよ」  窓の外へ視線を向けていた永戸さんは、その後無表情で「聞いてないけど」と私を一瞥した。  まるで君には興味ないって言ってるみたいな目だったけど、私は知ってる。京介お兄さんは眠っている私に2パーセントおスケベをしたってこと。  つまり少しは興味もなくもないってこと。  さあ聞いてやろうじゃございませんかっ!一体私にどんな2パーセントをしたか! 「あ…、先にそれ取ろうか」 「…え?」  全ての用意ができたようで正面に座った永戸さんだったが、私を見るなり苦笑し、「ちょっと待ってて」と立ち上がった。
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