カピバラの飼育員

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カピバラの飼育員

 私には四歳になる姪っ子を動物園に連れて行くという約束があった。  だがそれは、鬼畜上司の突発的な休日出勤命令だったり、体力の限界だったりで何度も何度もドタキャン、つまり土壇場キャンセルを繰り返し、いつになっても果たすことができないでいた。  だがある日、怒りに狂った四歳児が電話をしてきたのだ。 「お姉ちゃんのうしょつきーっ!」  その糾弾を受け、私は猛省し、そして失った良い叔母としての信頼を取り戻すため、上司の嫌味と説教を耐え抜きなんとか予定された休日出勤を免れ、その変わり土曜日は徹夜で働き資料を完成させ上司に送り、やっとのこと日曜日に姪っ子を動物園に連れてくるという悲願を達成できたのだ! 正直に申せば、もっと早く、普通に連れて行けたと思うが、それは姪には決して明かさない私の秘密だ。
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