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メビウスは剣を握ったまま、不利な現状に対して息を吐く。このままじりじりと滲み寄ってくる船員達に屈すれば人以下の扱いを受ける日々が待ち受けている。
ちらりとロロネーの方を見やる。あくどい笑みを浮かべてこちらを品定めしている様子は出会った時からでは考えられない。
豪胆な笑い方も、その奥に眠る残忍さを隠すための演技に過ぎなかった。初めから自分達は騙されていたのだと実感した途端、メビウスの全身を悪寒が駆け巡った。
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