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1、白煙にゴ○ラを重ねる /B
ある冬の日。日付が変わってすぐくらいの頃。
一人夜中にもの欲しくなって、台所に立ってそれを焼いて。
待ち時間は寒い寒いと言いながら、レンジで水をあっためて。
ジワワと音が聞こえたら、手にしたカップを一旦置いて、いそいそと魚焼きグリルに向かうだけ。
焼きたて熱々のチキンナゲットを口の中に放り込んで、
猫より熱がりな舌が口内で逃げ果せているのを他人事のように感じながら、
はあっと大きく息を吐き出して、
はあっと白煙が煙たく立って。
ああ、きっとテレビの中で暴れまわるゴ○ラは、
こんな景色を見ていたんだろうなぁ。
なんて馬鹿なこと考えて、も一度はあっと息を吐く。
それがゴジ○の形に見えてしまって、私ももう歳かもなんて思って、そんなわけがないのにそんなことを思って、あったかいコップを手で挟んで、穏やかに伝わる温もりを感じて。
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