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恋人が誘ってくる。(弓月) ※R18描写あり
笠井家2階、初めて入る忠相さんの部屋。
家具少なめでシンプル。
ベッドにソファに間接照明。
肩を貸しながら階段を上がってその部屋に入った時、部屋中に染み付いた忠相さんの甘い匂いに目眩がした。
何だこの空間…天国かな。
忠相さんをベッドの布団を捲って寝かせて、最後の理性でそれをそっと掛けるつもりだったんだけど、その手をやんわりと掴まれた。
潤んだ瞳が必死に耐えようとしている俺の理性を揺さぶってくる~…あああ~…!
案の定我慢出来なくなった俺は、再び忠相さんの唇を奪って黒いシャツの裾から中に手を這わせた。
な、なんて触り心地の良い腹筋なんだ。
腹、脇腹、胸、小さな乳首…。
まどろっこしくなってきて、シャツを捲り上げた。
シャツに隠れていた忠相さんの肌を初めて見る。
しっかりついた筋肉にきめ細かな肌。
大抵インナーにハイネックを着ていたけど、脱がせてみるとちゃんと薄手のピタッとしたネックプロテクターは付けていた。薄いと言っても、素材的にはかなりの強度だ。αの硬く鋭い犬歯をその薄さで完全に防御するのだから。
最近はこういう、ラインにひびかないような薄いのが主流になってきたとニュースで見た。
でも従来の首輪型に石が嵌め込まれていたり、チャームを付けたりカスタマイズできるものは、それはそれで通常通り売れてるようだ。そっちはΩ以外のβのギャルとかにも人気らしい。
事件事故に巻き込まれるのを恐れて、Ωと知られたくなくて首輪を付けないってΩもいるらしいのに、流行りってわからんもんだね。
それにしても裸体に黒のネックプロテクターとか、やらしい。
…これを剥いで、噛みたいな。
間接照明の淡い灯りに浮かび上がる筋肉の凹凸の陰影。
良い肉体をしたαを見慣れている筈なのに見蕩れてしまう。本当にこの男(ひと)は完璧な迄に美しい。
「…あんま、みないで…。」
凝視していたら忠相さんが肘で目を隠しながら言うので、その手首を掴んで強引に退かせる。
顔が真っ赤になってるのは、酒のせいだけじゃないよね。
自分から誘ってしまった羞恥だよね。
童貞処女なのにね。
忠相さんのガードはバリケードのように固かったんだろうな。
多分、告白出来る子は未だマシで、言えなかった人の方が多そう。
忠相さんに想いを寄せた人間はきっと多かっただろうけど、この人は何故だか自己評価が妙に低くて人嫌いの傾向がある。
自分からグイグイ来るタイプは、本当は苦手なんだろう。
例の幼馴染みが~、というやつで撃退してたのも見てたし。
俺が受け入れてもらえたのは、単に忠相さんも俺を気にしてくれていた上に、偶然が俺に味方したってだけの話だ。
多分、忠相さんも俺の顔が好きだと思うのは自惚れじゃない筈。
「忠相さん…可愛い、ここも、初めて?」
俺が小さな乳首を指で摘むと、んっ と息を詰める忠相さん。
くりくり指で転がすと、指でシーツを掴み耐える健気さ。唇で挟んで舌でつつくと、
「あ、あ、あ…んん…」
と、小さく絶え絶えに 息を漏らすように喘いだ。
その低い呻き声は性的だ。
反則だ。
堪らなくなって、片方を指でくにくに摘みながら片方は舌で転がして舐めるのを交互にしてたら、腰を浮かせ出した。
ちゅうっ、と吸うと、ビクンと腰と足が跳ねたので、アレ?と思って左手を忠相さんの下着の中に差し入れてみたら、その中はぐっちょり温かな精に濡れていた。
…初めてで乳首でイくとは…。
なんという素質。流石Ωというべきところなのか。
「忠相さん、初めてなのに乳首舐められて射精しちゃうんだ。エロいね…。」
俺が、忠相さんの精に濡れた手指をこれみよがしに舐めると、その顔は見る間にそれ迄以上に真っ赤になり、
「……ろく、なぃ…」
と呟いたので、俺は頭痛がする程心臓が高鳴った。
忠相さんの匂いが強くなっていく。
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