結果は?

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結果は?

「大外からホワイトマンが一気に差し切った~! 2着はオウイケイショウ!」 結局、コオリノジョウオウは馬群に飲み込まれて10着前後だった。まあ、そりゃそうだろうなと思いながらスマホを確認するとメールが入っていた。 『期待させて悪かったな。多分、コオリノジョウオウは来ないぞ。君の居る世界と俺の居る世界では、同じ事が起こるとは限らないみたいなんだ。まあ、コオリノジョウオウが勝つ事も有り得るけどね』 意味が分からない……。結局のところ、未来の俺を名乗る男の目的は何なんだ? その時、またメールが入った。 『とにかく、俺は少し前に恋人が出来て幸せなんだ。君にも幸せになって欲しい。自分以外の人なんてどうでも良いって考え方だったのが、彼女と出会えた事で全ての人が幸せになって欲しいと考えるようになったんだ。まあ、君は過去の俺だから他人でもないけどね。多分、彼女とは普通に生活していても出会わないだろうから強引にセッティングしてやるよ。俺は今の彼女と一緒に、1年前の彼女にもメールして君の事を伝えているんだ。では、幸運を祈る』 話がややこしくて見えてこない。つまり、1年後の俺が1年前にあたる今の俺の事を思って、未来の彼女と早く出会うような状況を作ってくれているという事なのだろうか? のび太が過去の自分にドラえもんを送るとかいう二次創作が話題になったが、それに近いのか? そんな事が実際に起こるのか? 俺は、そんなSF要素を全く信用しなかった訳ではないが、やはり、友人のドッキリを最有力と考えていた。 そして、しばらくすると、知らないアドレスからメールが送られてきた。 『こんにちは。愛媛澪(えひめみお)って言います。未来の、工藤さんと私からメールが届きました。もし、工藤さんの都合が良ければ今から会えますか?』 俺が彼女へメールを返すと、直ぐに待ち合わせの場所を指定してきた。俺の家から徒歩10分程度にある、フランチャイズの有名喫茶店だ。1時間半後に待ち合わせだという事で、俺は引っ越しの準備をしばらく続け、きりの良いところで止めて家を出た。
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