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「怖がっても怖がらなくても、見えるんだから仕方ないでしょ。さぁ行くわよ」
有無を言わさぬ、姉の威厳。
「え~~~。さっきも見たのにぃ~」
美希は泣きそうな顔になった。
「え? 見たってどこで?」
部長が美希に詰め寄る。
「一階の……あそこって保健室だっけ?」
美希が俺に聞いてきた。
「ああ、うん。確か保健室とトイレの前だったと思う」
記憶を辿って思い返す。
「保健室の前ね。じゃあそこに行きましょう」
部長に促され、部員たちが立ち上がった。
「え~~~やっぱり行くの?」
美希は泣きそうに顔を歪める。
「当たり前でしょ。大丈夫よ。これだけ人間がいるんだから」
その大丈夫という根拠がよく分からないけど、俺は美希を守ってやろうと思っていた。
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