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さて。
浩太の甘い誘惑に負けて再びイチャイチャしたのかは謎のまま。
結局は『もとさや』に落ち着いた涼が圭介との関係を懸念して暗い顔をする中、同じ学校同じ学年、同じクラスと三拍子揃っているのだから顔を合わせないはずもなく、朝のHRが始まる前に、三人は教室の隅で対面していた。
「…」
隅っこに寄ったもののすぐに言葉が出てこない三人は、浩太の影に隠れている涼に押されるような形で圭介と向き合った浩太が、束の間無言で見つめ合っていた。
(オレ、こーいうのダメ)
真面目でシリアスな展開に滅法弱い涼は、さっきから圭介の目どころか顔も見られないでいた。
それなのに浩太ときたら、頭一つ背の高い圭介と胸を張るように対面しているのだから…やはりあの時見せられたサドっぽい態度も、浩太の一部なのだと思い知らされた。
そんな浩太もカッコ良くて好きだけど、と内心で惚気て勝手に赤面していると、浩太の影に隠れ俯いていた涼の耳に圭介の大きなため息が聞こえてきて体をビクつかせる。
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