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オソロシイ、と舌を巻き腕を組む涼に向かって委員長の指先が向くと、涼は突きつけられた指先を寄り目で見つめた。
「かと思えば、今度はこの阿呆と再びつるみ出す始末。 まだ一年と経たないこの中で、不純異性交遊など私の目の黒いうちは許さぬが」
ビシッ、と再び浩太へ人差し指を突きつけると、委員長は勝利宣言でもするように、声高に叫んだ。
「不純同性行為など以ての外だ! 事と次第によっては会議にかけ、隅々まで洗い出してやるから、今のうちに真実を述べるがいいッ!」
(述べるがいい、って…)
艶やかな黒髪を振り乱し、生き生きとした表情でそう宣言する委員長の視線の先で顔を見合わせた涼と浩太は、見つめたお互いの瞳の中に愉色を見つけ、二人にしか分からない感情を滲ませる微笑みを交わす。
「委員長が言うおれと長谷川の怪しい関係って――どんなものを想像したの?」
「ッ! そ、それはっ」
にやにやと笑う涼とにっこり笑顔を浮かべる浩太の前で、返す言葉に詰まった委員長の頬が朱に染まる。
「あ~、赤くなってるー。 ナニ考えたんですかぁ~」
「かっ、からかうなッ! 人を何だと思っている!」
涼の野次で完全に自分のペースを乱された委員長はどんどんどつぼに嵌まるほど赤面し、二人に突きつけていた手を下ろすと真っ赤になる顔を隠すように顔を背けた。
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