episode.1

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朝の6時。 私の生活は、ここから始まる。 まず、朝ごはんを食べる。 次に顔を洗う。 次に制服を着る。 次に忘れ物がないかチェックする。 そして、その次−。 弟の千尋(ちひろ)を起こしに行く。 ガチャ やっぱり、まだ寝てる。 「千尋っ!そろそろ起きないと遅刻するよ!私と一緒に行かないの?」 すると、布団がゴソゴソと動く。 「いや、琥珀(こはく)と行く。」 なぜだか知らないけど、「私と一緒に行かないの?」って千尋に言うと、起きる。 「それなら、早く準備してね〜」 「...うん。」 ガチャ 「もう、私は忙しいのに...。」 あ、私は泉 琥珀(いずみ こはく)。 で、さっきのが弟の千尋(ちひろ)。 あ、時間がまだある! それなら... 好きな人のために可愛くしていこう! 髪をいつもはポニーテールだけど、二つ結びにしてこ! すると。 「琥珀、何してんの?」 ちょうど起きてきた千尋が話しかけてきた。 「千尋!何って、好きな人に可愛いって思ってほしいから髪型をいつもと変えてるの。」 「...好きなやつって誰?」 「い、言いにくいけど...。幼馴染の拓哉(たくや)...」 「拓哉?」 「うん。千尋もよく知ってるでしょ。」 「でも、最近遊んでないじゃん。」 「それがね!昨日、「今度2人で遊ぼ」って言われたの!」 「ふぅん。それ、俺も行っていい?」 「何言ってんの。拓哉は「2人で」って言ったから、だめ!」 「じゃあ、学校で拓哉に一緒に行っていいか聞いてみる。」 「ちょ、待って!千尋!」 「じゃあ、今日は先に行くね。また後でね、琥珀。」 「待ちなって!」 ガチャン 「千尋、どういうつもりなの...?」 まさか、私と拓哉の関係を崩したい...とか? まさか!千尋はそんな子じゃないもん... じゃあ、目的は何? 「とりあえず、学校行こ!」 ガチャン −その頃− 「ねぇ、あれって泉くん?」 「もう、目が幸せ〜」 「...」 「ちーひろっ!おはよ。」 「あぁ、(かい)か。」 「今日もすごいな。まぁ、お前、かなりイケメンだもんな。」 「海もだろ。」 「そうか?」 「あぁ。」 「てか、琥珀ちゃんどしたの?いつも一緒に来てるじゃん。」 「琥珀なら、あとから来る。」 「へぇ。珍しいじゃん。」 「とりあえず、俺、2年に用あるから。」 「え、2年?誰。」 「近藤拓哉(こんどうたくや)って人いるだろ。その人。」 「近藤...。あぁ、あの2年のイケメンか。」 「拓哉に聞きたいことがあるんだ。」 「へぇ...」 すると。 「千尋!」 「この声、琥珀。」 「琥珀ちゃんだ。」 「ちょっと、俺急ぐわ。」 「え。」 「琥珀止めといて。」 「わ、分かったよ。」 タッタッタッタ... −2年1組− 「はぁはぁ...、拓哉!」 「ん?千尋、どうしたの?」 「あのさ、琥珀と「2人」で遊ぼうって言ったろ。」 「言ったけど...。千尋に関係なくない?」 「は...、拓哉、お前琥珀が好きだろ。」 「好きだけど、それが何?」 「...お前...」 「千尋!」 「うわ、琥珀。」」 「ごめん、拓哉!」 「いや、大丈夫。」 「じゃあ、千尋は帰って!」 「チッ、分かったよ。」
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