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「はい。あ、でも三つのお店、ってどんなお店ですか? 何をお買いに……」
フィーネが小首を傾げると、エルマンは意味ありげににんまりと笑った。
「形のあるものとないものを買いに。僕が行きたいのはね、フィーネ嬢……」
彼が囁き声で尋ねた三つの店は、確かにこの町にある。
フィーネが三つの店の名前と場所を伝えると、エルマンは笑顔のまま深くうなずいた。
「ありがとうございます。では善は急げだ」
彼は草の上から楽器ケースを取り、まだ乾かないマントを羽織り直す。
そしてフードを被りながら、フィーネとヤツガシラのアルヴィー、それに食器の後片付けを始めたトーマを順に流し見た。
「それでは僕は三つの店を回ってきます。一日一店、四日後にフィーネ嬢の工房へお邪魔しますので、“贈り物”の詳細はその時にお話しします。それまで工房で先生とお待ちください。その時にはトーマ師にも工房に来て欲しいのですが、それまでどちらに滞在されますか?」
「私はこの河原に留まるつもりです。まあ私独りなら、仮に夜警や衛兵に遭っても、どうとでもやり過ごせますから」
「トーマ師の事ですから、心配は無用ですね。じゃあ折りを見計らって、僕も時々ここへ戻ります」
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