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序章
――告
ライブール工房主人、秘鍵師親方ダン=シモン=ライブール、およびその息女フィーネ=ライブールに対し、以下のとおり申しつけるものなり。
新婦フィーネ=ライブールは、新郎ハルト=ライブール=ユーデンスとの婚礼の儀が終わり次第、直ちにメリエ城に赴き、君主アラム=ファン・メリエ侯爵と同衾し、初夜を捧ぐべし。
かかる下知は、ルカニア連邦国王家より、領主メリエ侯爵家に代々下賜されし“初夜権”に基づくものなれば、如何なる抗弁の余地もなきものなり。
本布告に従わざりしときは、“初夜権”棄損の追徴として、ライブール家並びにユーデンス家の本年の年貢を二倍とするものとし、併せて家長には半年の入牢を科するものとする。
ラウス歴二百年湖水月九日 メリエ公国領主 侯爵アラム=フォン・メリエ――
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