磯崎 薫の作品紹介

6-1. 十六夜狂詩曲 ～新説義経記～

　日本史で言う平安末期から鎌倉初期の、いわゆる源平時代が好きで。ずっと書きたいと思っていて、かなりの長期間温め続けた歴史小説です。

　作品名は『いざよいラプソディ ～しんせつぎけいき～』と読みます。

　作品が史実には準じず、独自の意思を込めたフィクションだとしても。それでも歴史小説を書く上では史実を時系列順で十二分に理解しておかなければいけないことを痛感。

　物語の主人公を源義経にして、新しい視点と解釈による「義経記(ぎけいき)」をと考えていたのですが。プロットを作成しようとするも挫折して頓挫…… を、何度も繰り返しておりました。

　ある日、発想の転換から主人公を義経ではなく側近が彼の考動を記す形態を思いつき、一気にプロットを作成。思い切り『if』と『フィクション』を盛り込んだ物語を、軽快な会話調で執筆し始めたのですが。

　それでも時代考証や、義経本人だけでなく関わりのある人物達の史実の整理を時系列順に行うことに苦労し、かなりの時間と労力を要したのを憶えています。

　ひとつ例を挙げると。ある歴史上の出来事の後に登場させたい人物がいても。その人が史実上、その時点で亡くなっていては登場させられないのです。

　史実に敬意を表すためにも、そんなロジックエラーをひとつひとつ解消していき。それでいて史実と異なる展開で最後まで書き上げることができて、一応は満足している作品です。

　最終話『Continue』はスター特典とさせていただいています。スターをいただきながら読み進め、本当の最終話までお楽しみいただくことを心より希望いたします。

（2018年2月8日号 新作セレクションに選出いただきました。ありがとうございます！）
https://estar.jp/selections/173
https://estar.jp/novels/24938773
十六夜狂詩曲　https://estar.jp/series/11770481

2018年1月8日開始、2019年9月11日完結