集う仲間たち、解決へ向けて

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 そんな兄妹の様子を見ていた伯爵は、腕組みをしたまま不敵に笑って挑発的な視線を息子に送った。 「ご令嬢への気遣いに関しては、まだ私には及ばんな、アーサー。この老いぼれに遅れを取っていては、大切な者を守る真の男にはなれんぞ?」 「ちょっともう、収拾がつかなくなるので父様もノリノリで兄様を挑発しないで下さい! ほらもう、二人とも睨み合わないで! まったく、貴方たちは私が止めないと、すぐしょうもない小競り合いを始めるんだから、反省して下さい」  腰に手を当ててたしなめるミスティに、オルランド家の男性二人は「はい……」と大人しくなる。  どうやら、オルランド家は女性の方が立場は強いらしい。  仲の良い家族の光景に、その場にいた皆はとうとう微笑みを堪えきれなくなって、リビングは暖炉の温もりにも勝るあたたかな笑い声に包まれた。  ひとしきり笑った所で、アーサーは全員の顔を見て、力強く言った。 「それでは諸君、よろしく宜しく頼む」  かけ声に、仲間達はそれぞれ『まかせろ!』と頷いた――。  アーサーはこちらに視線を向けると、「大丈夫。君は一人じゃないよ」と励ましてくれる。
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