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オープニング
暗闇の中で目を覚ます。どこまでも続く漆黒の世界には、色も音も熱もない。何度か瞬きをしてみるが、視界は馴染まなかった。
目蓋を閉じているのだろうか、開いているのだろうか。
暗闇に手を伸ばす。
柔らかいものが指先に触れる。
私は薄い膜に包まれていた。
私に力があれば、ここから抜け出せるのに。
暗闇の薄膜を破り、外に出られるのに。
そうだ。目だ。
ここから抜け出すには、眼前を捉える目が必要だ。
まずは、果てのない世界を見渡す目を手に入れよう。
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