プロローグ

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2022年、日本。  満月の夜のことであった。  とある橋。  一人の男性が歩いている。真夜中であり、真面目に働いているエリート社員といった服装。 「ぅぅぅ」 うめき声。 それは現実じゃ絶対に聞かない不気味な声。 聞いたらそれは死にかけの友人か、または家族。もしくは自分である。  男性は後ろを振り向く。 が、誰もいない。 (幻聴ですかね?)  頭を掻き、再び歩き出す。 「ぅぅぅ」  男性の服が地面に落ちる。 まるで綺麗に切られたかのように。 ではなかった。 男性も切られていた胴を真っ二つに、男性はもう絶命していた。 声やうめき声も出せず、死んだ。 すぐに死ぬことが出来たのは不幸中の幸いであろう。 「見つけたぞ」 その男性が倒れた先に一人の男が立っている。 その男からは人間の力を感じた。 「ぅぅぅ」 うめき声を上げ、何処かへと消える。 煙のように姿を消す。
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