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高校卒業後、理美容店に住み込みで働いた。
先輩達は優しくて、一緒に働いていて楽しかった。強いて言うなら店長が、些かモラルに欠けているぐらい。
酒に酔って絡んでくるし、人の名前を弄っての親父ギャグ。気分によって叱られるなんてのも日常茶飯事。
入ったばかりの私が一番弄りやすかったのだろう。
見かねた先輩に言われた言葉が
「お前って不幸の星の下に生まれたよな」
マジですか、先輩。そんな星あるんすか。
心の中でツッコんだけど、あまりに真顔で言うもんだから言葉に出せなかった。
それから暫く経って仕事を辞めた。
久々に帰った家には父が作ったというカレーがあって、何故か水分多めの味の薄いシャバシャバカレーに肉の代わりに魚肉ソーセージが入ってた。
たくさん食べられるようにと大量に作るのは父の悪い癖で、何日かけたっけ。
あと作るのはいいけど味見しないのもそう。
夏になれば熱中症になってはいけないと麦茶に塩を大量に入れてた。もはや海水。
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