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やがて本堂にたどり着くとそこには祭壇があり、一枚の大きな絵が飾られ、周りには色とりどりの花が生けてありました。
「先日孫娘が病に倒れ、この世を去りました。そこで皆様にお願いがあります。孫娘を生き返らせることはできないでしょうか。彼女は巫女としてこの星林で重要な役割を果たしております。もしそれを叶えることができるとすれば、それこそ万物の根源たるものと言えるかもしれません。私どももその文明に従うこととしましょう」
「その娘を蘇らせればよいのだな?」ロゴスは髭を撫でながら、眉をひそめた。
「はい、生きていた時の姿形、性格すべてそのまま。果たして、できますでしょうか?」
代表者の三人は顔を見合わせました。
「うむ、少し時間がかかるかもしれぬが、検討してみることとしよう。それで異存はないな? ロゴス、アペル」
アトモスが問いかけると、ロゴス、アペルは自信なさげに頷いた。
「はは、二人は難しい顔をしている。ここはマン族に任せてもらったほうがよいかもしれないな。ところで、その娘の名は何と申す?」
「アルシアと申します」
「歳は?」
「十五でございます。 ……なぜそのようなことをお聞きになるのでしょう?」
「う、うむ、なるべく情報は多いほうが成功確率が上がるためだ」
アトモスは汗を拭うと、聞き取った情報を紙に書き留め始めました。
「そんなことをせずとも我らヴィズ族の魔力を持ってすれば、一瞬のうちにここに召喚することができるであろう」
「宇宙の気脈を利用して、その娘の霊気を実体化しましょう」
三人はそれぞれバラバラのことを言い始めました。
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