はじまりの巫女アイシア

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「それでは御三方(ごさんぼう)におまかせいたします。あ、失礼いたしました。お茶をいれてまいります。椅子に座って、お待ちください」  テロスは杖をつきながら、ゆっくりと本堂の奥へと消えていきました。  ロゴスはゴホンと咳を払うと、アトモスにチラリと視線を向け、問いかけました。 「アトモス、それで……本当に人間を蘇らせることなどできるのか?」 「科学を使って、人形を作ることはできるが感情はない。ロゴスこそ亡き者を召喚するなどできるのか?」 「魔術を使って、命を錬金することはできるが、死者の魂は戻ってこない。アペルは霊気の実体化など本当にできるのか?」 「超能力を使って、モノを動かす意識や感情は操れるが、実体化は難しい」    結局無理ではないか、と三人は腕を組みながら、うーんと考え込みました。  そこでロゴスが提案します。 「それではこうするのはどうだ? いったん我らで手を組んで、アルシアを造り上げる。まずはこの星林を奪うことが優先だ。その後はまた戦争で決着をつければよい」 「それが一番理に(かな)っているかもしれぬな」アトモスが相槌を打ちます。 「それでは……まずは一時停戦ということでよいかな?」アペルが問いかけると、二人は頷きました。  まもなくしてテロスがお茶を載せた盆を持って戻ってきました。テロスは盆を円卓に置くと、三人に話しかけました。 「いかがでしょう? アルシアを蘇らせることはできますでしょうか?」  三人はお互いの顔色を伺っていましたが、ロゴスが口を開きました。 「うむ、我らの力を使えばできるであろう。時間がかかるので、しばらくここに泊まらせてもらうことにする」 「いつ頃になりますでしょうか?」 「そうだな……一週間後ではいかがかな?」 「かしこまりました。それでは一週間後に。お部屋は用意いたします」  その日はいったんお開きになり、三人は部屋に籠もると、それぞれの仕事に集中することとなりました。  アトモスは部屋に入ると、さっそく機械部品をたくさん用意し、絵に描かれたアルシアそっくりの人形を造り始めました。  ロゴスは薬草や生きた虫を鍋にぐつぐつと煮込み始めました。  アペルは精神統一のために座禅を組み、念力の練り込みを始めました。
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