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明るい時間
11月13日
昨日もユウは来なかった。もうずっと来てない。私だけがあのベンチに行って、誰も来ないまま帰る。捨てられたみたいで悲しかった。
今日は休日。私は街に行こうと思って今駅に向かっているところだ。
最寄りの駅に行くにはあのベンチを通らないといけない。
ああ、ユウはなにしてるんだろ。っていうかもしかしたらユウには彼女がいて、その彼女にベンチに行くのをやめろって言われたとか、、、
「凛ちゃん!!」
振り向くと後ろにユウがいた。
「凛ちゃんごめん!ずっとずっと来れなくって。あの、えーっと、ほら、家族で用事があったんだよね。ずっと。」
、、、なんですぐ答えられいんだろう。やっぱり彼女がいるのかな。
「、、、ユウって、、さ、彼女さんとかいるんでしょ?」
気になって聞いてしまった。
「え?いないよ。いやいや僕なんかに彼女いるわけないよ。」
「.....。そっか。なら、ううん。なんでもない。」
これ以上いったらしつこい女だと思われちゃうし引き下がった。
「ねえ、凛ちゃんどこか行くの?」
「え?ああ、うん。電車でちょっと出かけようかなって思ったり」
「あ、じゃ、じゃあよければ僕も行くよ。」
まさかの提案だった。
「いいの?」
「うん。全然暇人だし。っていうか僕も行きたいくらい」
「いいよ。一人より楽しいだろうし!」
嬉しかった。なんだかデートみたいで。
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