明るい時間

1/1
前へ
/14ページ
次へ

明るい時間

11月13日 昨日もユウは来なかった。もうずっと来てない。私だけがあのベンチに行って、誰も来ないまま帰る。捨てられたみたいで悲しかった。 今日は休日。私は街に行こうと思って今駅に向かっているところだ。 最寄りの駅に行くにはあのベンチを通らないといけない。 ああ、ユウはなにしてるんだろ。っていうかもしかしたらユウには彼女がいて、その彼女にベンチに行くのをやめろって言われたとか、、、 「凛ちゃん!!」 振り向くと後ろにユウがいた。 「凛ちゃんごめん!ずっとずっと来れなくって。あの、えーっと、ほら、家族で用事があったんだよね。ずっと。」 、、、なんですぐ答えられいんだろう。やっぱり彼女がいるのかな。 「、、、ユウって、、さ、彼女さんとかいるんでしょ?」 気になって聞いてしまった。 「え?いないよ。いやいや僕なんかに彼女いるわけないよ。」 「.....。そっか。なら、ううん。なんでもない。」 これ以上いったらしつこい女だと思われちゃうし引き下がった。 「ねえ、凛ちゃんどこか行くの?」 「え?ああ、うん。電車でちょっと出かけようかなって思ったり」 「あ、じゃ、じゃあよければ僕も行くよ。」 まさかの提案だった。 「いいの?」 「うん。全然暇人だし。っていうか僕も行きたいくらい」 「いいよ。一人より楽しいだろうし!」 嬉しかった。なんだかデートみたいで。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加