再開と事実

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再開と事実

11月24日 「凛!?」 空からユウの声が降ってきた。 幻聴? 柵からおりて上をみた。 「なんで、、?」 ユウは総合病院の4階か5階の窓から顔をだしていた。 「凛!何してたの!!危ないよ!」 ユウが必死に叫ぶ。 「ユウの方こそ、なんで病院なんかに、、、あ、」 ユウは初めてあったときと同じパジャマを着ていた。 淡い青のパジャマ。 「もしかして、それ、、、入院服?」 「え?あ、いや、これは、その、、」 「私今そっち行くから!」 「いや、僕がおりるから待ってて!」 ユウが病院から出てきた。 「ねえ、なんで?入院してるの?」 「.......」 「ユウ!」 ユウは下を向いたまま。 「凛はさ、unknownって知ってるよね?」 「え、、、うん。まさか、、」 「そう。僕unknownにかかってるんだ」 え、、、?嘘、、、、 言葉が出なかった。 「なんで?なんで教えてくれなかったの!?」 「もし!僕がunknownだって知ったら、凛は僕を嫌いになったかもしれない。それに、もしあのときの告白にのって付き合ったら最後僕は死んで凛は辛い思いをしたでしょう?」 「でも!」 たしかにユウと付き合ったら悲しみは倍の倍くらいになったかもしれない。 でも、どうせ死ぬならもっと一緒に幸せな時を過ごしたかった。 「ごめん。凛。彼女がいるっていうのは嘘。本当は凛のことが好きだよ。でも運命は神様が決めたことだからさ」 そういって微笑んだ。 なんで笑えるの?なんで、、、 私は泣いていた。 「泣かないでよ。」 ユウはいつもと同じ優しい笑顔でそう言った。 「ユウ、、、いつからunknownになったの?」 「....11月1日。あと、7日かあ、、、」 「そんなこと言わないでよ、、、、」 いつか訪れるユウの死が信じられなかった。 「タカハシユウさん!勝手に外に出ないでください!」 ユウがさっきいた部屋から看護師さんが呼んでいる。 「はい!じゃあ、、、さよなら、、、」 「また会いに行っていいよね?」 「いや、さよなら、、、かな。」 「なんで!」 「悲しませたくないから、、、」 「会えないほうが私には悲しい!ユウの最期まで一緒にいるから!」 「さよなら」 「簡単にさよならなんて言わないで!」 私はぐしゃぐしゃに泣きながらそう叫んだ。 ユウは病院に戻っていってしまった。
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