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⑥
捜査五日目。次の日。綾は渉と一緒に学校に向かっていた。
「あら、あやっぺ!」
「春奈!」
学校に向かう中で綾のクラスメイトの春奈にあった。春奈の手には、ビニール袋を持っていた。買い物の帰りかなと綾は思った。
「春奈、こんなところで偶然ね」
「ほんと。あやっぺ、どこかに行くの。渉君と2人で?」
「うん。学校に忘れ物をしてね」
「それを取りに行くの?」
「うん」
綾は嘘をついた。2人の行動は、他の人には内緒なのだから。
「ねぇ、あやっぺ」
「な~に、春奈?」
「こんな事を言いたくないけど……」
春奈は綾に何か伝えたい事があるみたいだ。
「あやっぺ。あやっぺは今、天文部に見学しているんだよね?」
「うん、そうだよ」
「ねぇ、あやっぺ。あやっぺにこんな事を言っていいのか分からないけど、天文部やめた方がいいよ」
「春奈?」
春奈が不安そうに綾を見た。
「どうしたの、春奈?」
「渉君しかいないこら言うけど……最近、学校で先輩2人、亡くなったじゃん」
「うん、そうだね……」
「しかもその先輩って天文部、なんだよね? 最近じゃあ天文部って呪われているかもしれないって影で思っている人がたくさんいるみたい」
「そうなの?」
「うん。あやっぺは今、天文部に見学しているって言っていたし……なんか心配なの。雫も天文部だったし、次はあやっぺか若菜だったら嫌だよ、あやっぺ……」
春奈は相当ショックあるいは不安があり、綾達の事を心配しているみたいだ。
綾は春奈がここまで心配していた事に驚きと嬉しさが込み上げて一度、抱き寄せて『大丈夫』と背中を小さい子供をあやすようにポンポンと叩いて春奈から離れた。
「大丈夫よ、春奈。私なら」
「でも!」
「大丈夫よ、私見学者だし、ね」
「それでも心配よ!」
「心配してくれてありがとう、春奈。春奈が友達で良かったと思う」
「あやっぺ……」
綾は春奈に近づいて春奈の両手を握って春奈が安心できるようにニコッと微笑んだ。
「きっと警察が事件を解決してくれるよ。それまでは気を付けるよ。ありがとう、春奈」
「うん。ほんと気を付けてね。もう、と友達が消えちゃうのは、嫌だから」
「うん」
いつも明るい春奈が相当、今回の事件が怖く感じている事を綾は分かった。春奈の前じゃあ言えないけど早く事件を解決したいと綾と話を聞いていた渉も思っていた。
「じゃあもう行くね、春奈」
「うん。引き止めてごめんね」
「ううん、いいよ。ほんとありがとう。心配してくれて」
「うん」
綾と渉は春奈と別れて学校に向かった。
春奈に渉との会話が聞こえないと思われるところに来ると綾は渉を見た。
「渉。早く事件を解決できるように頑張ろう」
「そうだね、姉さん」
2人の思いは一緒だった。
***
2人は学校に着くと天文部の顧問である竹村先生から第2理科室の鍵を借りて第2理科室に来ていた。
綾と渉は理科室の準備室に入って天文部が使っている棚へ行った。そこには A、B、Cと言った番号が書いてあった。
「確か、Aが1番古いはずだっけ、綾?」
「そうみたい。私たちの年代は、Eの棚って先生は言っていたわね」
2人はここに来る前に竹村先生から論文の置いてある場所などを聞いていた。
先生によるとAの棚から古い順らしく、綾が確認したい論文を見せた時に先生は、それはEの棚にあると言っていたのだ。
「あっ、これじゃあねぇ~綾?」
「どれ?」
渉の方が先に見つけて綾に見せた。
「……これだね」
渉が見つけた論文を自分が持っている原文と比較して、間違いがないことを確認して綾が答えた。
2人は論文を早速確認してみた。2人は論文の名前が書いてあるところを確認してみた。
「「!」」
2人は驚いた。
昨日、原文の方で名前を見つけて確認しに来た2人。コピーされていた論文には、名前が消される前の名前がしっかりと映っていた。
綾が今、手元に持っている原文ろんぶんとコピーした論文の違いがはっきりと。
「ねぇ、渉。これって……」
「竹村先生がコピーしたって言っていたよな、綾」
「確か……そうね」
「先生のところに行っていつコピーしたのか聞いてみよう、綾」
「そうね。でも、今の時間は会議中だから少し待ってから行こう、渉。あと一ヶ所、行きたいところがあるし」
「分かった」
2人は竹村先生と話が出来る時間までまずは綾が言っていた行きたい場所へ向かった。綾が行きたい場所とは、屋上だった。
2人は屋上へ行った。屋上には2人の刑事さんがいて、1人が綾と渉の知っている刑事さんだった。その刑事は羽間刑事だった。
羽間刑事も綾と渉に気づいたらしく声をかけてきた。
「綾ちゃんに渉君だね」
「「!」」
2人も羽間刑事の姿を見てほっと一息ついた。少なくとも綾と渉が知らない人ではないことに。
羽間刑事は学校で起こった転落事件の時に出会った刑事さんだ。2人の父、蓮の高校時代の後輩にあたる人だ。
「「こんにちは、羽間刑事」」
「こんにちは。どうしたのこんなところに?」
「おい、羽間。知っている子かい?」
「あっ、はい。自分の高校時代の先輩のお子さんなんです。ここの生徒が転落した時に偶然にも、高校時代の先輩のお子さんだって始めて知ったんですよ」
「へぇ~それはすごい偶然だな。名前を聞いても構わないか?」
「あっ、大丈夫ですよ。いいよね?」
「「あっ、どうぞ」」
「自分の高校時代の先輩で探偵事務所を職業にしているんですけど、滝森蓮さんです」
「蓮さんかぁ~。よく警察の捜査に協力してくれるし、秋於と親友の人だろう。そっか~。その蓮さんのお子さんかぁ~」
綾と渉は2人の刑事さんの会話に父の偉大さを感じていた。
「俺は野上のがみ幸宏ゆきひろ。羽間とコンビを組んでいでいる刑事さ。一応、俺が先輩」
羽間刑事の先輩である野上幸宏は背が高く、動きやすい服装をしている。一言で言えば、私服刑事。お店の中にお客さんに交わって万引き犯を捕まえる刑事さんみたいな、格好をしている。
隣のスーツ姿の羽間刑事を見ていると私服の方が断然、似合っていると思わせるほどの体格だ。見た目は少し怖そうだが、話をしてみると優しい人だ。
「初めまして滝森綾と言います。それでこっちが」
「弟の渉です。初めまして。お互いに高1です」
「よろしくなぁ。それで綾ちゃんと渉君は、どうしてここに?」
綾と渉がなぜ屋上に来たのか不思議に思っていた野上刑事が質問してきた。渉が綾を見て綾がここに来た理由を話す。
「実は、ちょっと調べたい事がありまして。中に入れませんか?」
「うーん……そう言われてもなぁ~」
「大丈夫ですよ、先輩。綾ちゃんと渉君は蓮さんのお子さんだし、それに2人は探偵ですよ」
「マジかぁ!」
「はい。蓮先輩がそう聞きました。それに秋於先輩から今回の事を2人で調べているから、何かあった時は協力してくれって言っていました」
「そうか……分かった。中に入ってもいいよ。ただし、羽間同伴でもいいかな?」
「はい、構いません。今から調べる事は人手が多い方がいいので」
「何を調べるんだい?」
「それは今から準備をします」
「綾?」
渉にも綾が何をやるのか、よく分かっていなかったみたいで綾は、2人に今から自分がやりたい事を話し始めた。
「ここで天体観測をする時に準備を私と渉も関わっていました。実はその時に私と渉は少しの間、屋上から離れた時間がありました。その時に屋上のフェンスに細工をする時の時間。犯人が余裕の時間があっての行動をしたかは知りませんが、どれくらいの時間で細工ができるのか知りたいんです」
「それって最初の転落死があった時のだよね?」
「はい」
「実験をやるなら俺と綾が屋上から離れた時間も入れてやってみるのか?」
「うん。私と渉がこの場に戻って来る時間内で細工が出来るのかも知りたいから」
「俺達が離れた時間は20分くらいかぁ?あの時は35分くらいで準備が終わらせたはずだから」
「そうね。仮に20分だとして20分以内に終われば誰でもできる可能性がある。それにせっかく羽間さんが手伝ってくれるんだから、実際にフェンスのネジを外してまた元に戻す時間をストップウォッチで測れるし、最後に羽間さんに最終確認もしてもらえる。すみません、羽間さん。最終確認をお願いしても大丈夫ですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます。じゃあ、渉。あの時と同じ再現するから」
「分かった。俺は職員室に行って竹村先生に事情を話してから準備する」
「お願い。メールか電話ちょうだい」
「分かった」
渉は一旦、その場から離れた。
綾は自分で持ってきたストップウォッチを羽間に渡してあの時の事を軽く説明した。
説明が終わる頃に渉から電話があり、必要な道具あるいは物を準備してからまた屋上に戻って来た。
「お帰り」
「準備はOKだ」
「じゃあ、やりましょうか。羽間さんも準備はいいですか?」
「いつでもいいよ」
「じゃあ、始めます。私が『押して下さい』と言いますので、ストップウォッチを押して下さい。終わった時は声をかけるので」
「分かったよ」
「渉もいい?」
綾は2人に準備はいいのか声をかけてから、綾は手を上げた。
そしてあの時の再現に入った。再現に入って少し間を置き、行動にうつす。
「テープが足りない」
「じゃあ、取ってくるよ。第2理科室に行けば、あるの?」
「うん。あっ、ランプもお願い」
「1人で大丈夫なのか。俺も一緒に行くよ。その方がいいだろう?」
「ありがとう、お願い」
「分かった」
「押して下さい!」
渉が屋上から姿が見えなくなる。あの時は渉だけではなく綾も一緒に姿を消したが今回は、渉だけ姿を消してもらった。
綾はその場に残り、準備していた充電式のドライバーの持つと軽いタイプを持ってフェンス越しに移動してフェンスとフェンスの間のネジを外しにかかった。
外すといっても完全にネジをとるのではなく緩めるだけ。
綾がネジを緩め終わると羽間刑事に声をかけてストップウォッチを止めてもらった。そして、羽間刑事にお願いしたストップウォッチを時間を確認している。
時間を確認していると渉が戻って来たので、今度は逆の場合で実験してみる。
さっきと同じ流れで実験をやるのに準備をする2人。綾はもう一度、羽間刑事にさっきと同じ流れで実験の協力をお願いし、今度は渉がフェンスの間のネジを緩めるのにどれくらい時間がかかるのか実験をしていった。
渉もタイムを測って、2人は羽間刑事のところに行く。
「渉がやった場合のタイムはどうですか?」
羽間刑事が2人にストップウオッチのタイムを見せた。
「渉でこのタイム。私がやった時のタイムがこれ」
綾はタイムをメモっていた紙をポケットから出して羽間刑事と渉にも見した。メモを見ながら綾が軽く説明をした。
「これが私。フェンスのネジを緩めるのにかかる時間がこれくらい。これを女子がやったらこれくらいの時間がかかるわね。さらに渉が屋上に戻ってきた時間はこれね」
「あれ? ストップウォッチって1つだけだよね。俺が測っていたから」
「それは綾が持っていたから。家からもう1つ持ってきて実験するのに2つのストップウォッチが必要だったので」
「なるほどね……」
「それでこっちが渉。フェンスのネジを緩めるのにかかる時間がこれくらい。男子はこれくらいと見て、私が屋上に戻って来た時間がこれくらい」
綾は紙を見ながら実験の結果を2人に伝えている。
実験で使われたストップウォッチは実は1つではなかった。綾が家から持って来たストップウォッチもあったので実際は2つ。1つはフェンスのネジを緩めるのにかかる時間を。持つ1つは、屋上から姿を消した人が戻って来るのにかかる時間帯を測りながらフェンスのネジを緩めるのが出来るのか見ていた。これを2人で考え、やってみたい実験だった。
紙を見ながらさらに話を進めていく。
「これを見ると男女関係なく十分に細工する余裕があるなぁ」
「そうね。あの時は、段ボール箱を持っての移動。それと職員室に鍵を借に行く時間がプラスされてもさほど差はないから余裕があるわ。それに私達がいないときなら、かなりの余裕で作業はできる」
綾と渉はタイムを確認しながら話をした。例え、あの時の事を踏まえてもフェンスに細工をするだけの時間に余裕がある事を確認できた。
「これで確認することが終わったわ。あの羽間刑事」
「なんだい?」
「「羽間刑事ありがとうございました」」
綾と渉は羽間刑事にお礼を言った。
「いいよ。少しは役に立てたかな?」
「はい。これで新しい発見がありましたから」
「そうか、それなら良かった」
「もう、終わったのかい?」
「はい。野上刑事もありがとうございました。お陰で助かりました」
「俺はなにもしていないぞ?」
「いいえ。ねぇ、渉」
「うん。野上刑事と羽間刑事が屋上の中に入る許可をくださったお陰で綾と一緒に調べたいことを調べる時間ができました。だから」
「「ありがとうございます」」
「そっか~。そこまで言ってくれると嬉しいよ。2人供、頑張りなぁ」
「「はい」」
綾と渉はお互いに頷いた。
「そろそろ戻っても大丈夫よね、渉」
「そうだな。今度は竹村先生のところに行かないと」
「そうね」
綾と渉は自分達が持ってきた道具を片付けて、フェンスのネジも羽間刑事にちゃんと閉まっているのか、確認してもらい、もう一度2人の刑事を見た。
「ありがとうございました、羽間刑事。野上刑事」
「お二人のお陰で助かりました」
「いいよ。頑張ってね、2人とも。滝森先輩によろしく」
「頑張りなぁ」
「「はい」」
2人は羽間刑事と野上刑事に挨拶をして屋上から職員室に向かった。
会議が終わる頃に職員室へ行き、2人は竹村先生に論文についていくつか、質問したり聞いてみたりして話を聞き終わると自宅に帰って来た。
2人が学校から帰って来るとそこには2人の刑事がいた。
「よっ、2人供! 待っていたぜ!」
「こんにちは、綾さん、渉君」
「「こんにちは」」
これから5人で話し合いになった。
刑事の2人もいろいろ調べていたが何もてかがりになるものは、なかったらしい。
「2人の方はどうだい。今日は学校に行って来たのだろう?」
「はい。竹村先生にもう一度、話を聞いてみたり、綾と一緒に論文について調べたりしました」
「それに私と渉で屋上でちょっとした調べものが出来たのでそれは良かったかなと思います」
「屋上で調べものですか?」
「はい」
「それは?」
大人3人が綾の言葉に不思議そうな顔をしていた。綾は簡単に説明をした。
「屋上で羽間刑事と野上刑事にお願いしてちょっとした実験をして来ました」
「実験?」
「はい。実験と言ってもあの時、私と渉が放課後屋上にいたのは知っていると思います。そして4人で屋上のフェンスに電動のドライバーでネジが取れるのか実験したのを覚えていると思います。そこで」
「あの時の放課後、俺と綾が屋上で天文部の夜活動の準備を手伝った時の事を再現してみようと思いました。人数が限りあったので全部とはいきませんがやってみました」
「何をやったんだい、綾、渉?」
「準備をしているときに途中で道具が足りなくなってその場から離れたときに屋上のフェンスに細工が出来るのかどうかを調べてみました。誰もいなくなってからの行動ができるのは当たり前と考えた上での行動です」
「まぁ、そうだよな。誰もいないときは時間に余裕があるから細工するの余裕の気持ちで作業が出来るしなぁ」
「はい。だから俺と綾がその場から離れた時=若葉さんが俺と綾が知らない間に移動したとき、つまり誰もいなかったときに作業が出来るか時間を測ってきました」
「それでどうなった?」
「十分可能ですね」」
「可能ですか」
「「はい」」
箕上刑事の呟きに綾と渉が同時に頷いた。そして綾が説明を始める。
「多少の時間の差はあると思いますが問題ないと私も渉も思いました。これが私と渉で計った時間です」
大人3人に自分達がやった実験の時間が書いてあるメモを見せた。
「これなら誰にでもできる時間帯というわけだな」
「男女差の時間帯もしっかりと調べてある。すごいですね」
「屋上のフェンスの件は分かった。他は何を調べたのか教えてくれるかな、綾、渉」
「あとは竹村先生にもう一度、話を聞いたり、綾と一緒に論文について調べたよ」
「どうだった?」
「まずは、竹村先生の話は箕上さんに話した内容と変わりはなかった」
「次に天文部が書く論文は必ず名前を書くことは、お話したと思います。昨日、原文の方を見ていたら、論文を書いた本人の名前が分からないかと思っていたらあることを思い付きました」
「どんなことですか?」
「この原文の名前は多分、ボールペンで名前を書かれていて名前を修正液で消すと目立つので砂消すなけしゴムです。ボールペンで書かれた名前を消したと分かったので、消した方とは反対の方を鉛筆で筆圧が出てこないか、試しにやってみたら」
「もしかして出たのかい!」
「はい。それで今日、学校にこの論分のコピーがまたあるのか、確認に行ってみたらありました」
「コピーてすか」
「はい。必ず原文をコピーして準備室に保管しておくみたいです。今は、私が原文を持っています。コピーは準備室にあって誰にも借りられていなかったので助かりました」
「名前はどうだった?」
「「部長の名は原文だけです。本当にこの論文を書いた人は、コピーの方にも、もちろん原文にもありました」」
綾と渉の2人で調べた結果をいった。
綾は自分が持っている論文げんぶんを渉は、原文をコピーした論文を3人が見えるように置いた。3人は、綾と渉が置いた論文を見て驚いた表情をした。
そこには同じ、人物の名前があったからだ。
「今回の事件は、雫が自殺してしまったことが繋がっていて、そこから殺人事件が起こったものだと私と渉は思います」
「しかし、そう言えるとは限らない」
「そうですね。他にも証拠がないと……」
「なければ作ればいいだろう」
「「!」」
2人の刑事が蓮を見た。
「作ればっておい、蓮、それは……」
「本人はんにんに言ってもらえばいいだけだろう」
「それもそうだが……」
2人の刑事は困った顔をしていた。確かに今は、証拠と言ってもいいものは少なすぎるのが現状だ。
「俺と綾の考えは、犯人がこの事をどこがで知ってしまい、今回こんな事件を起こしたと考えています」
「私と渉は、犯人は部長をターゲットにしているのではと思っています」
簾堂は2人を見た。2人の瞳は決して冗談をいっているような、そんな瞳の色ではなかった。
逆に真剣で信じてほしいと語っているそんな瞳の色だった。
「じゃあ、ここまでの流れだと部長以外の天文部の誰かが犯人になるな」
「それ以上は考えられないのは、確かだ。2人目の犠牲者のアズサさんの行動を知っていたと考えるとそうなる。もちろん、論文の事も」
「あの……お2人は、犯人が誰なのか、分かっているのですか?」
「「いいえ。まだ、確証がないだけです」」
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