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 「「でも、と思っている人がいる。そうだろう、綾ちゃんに渉君」」  「「はい」」  「明日には解決できるかい、綾、渉?」  「はい。少しだけ確認したい事があるので、それが終わってからでもいいですか?」  「そこは大丈夫だよ、綾ちゃん」  二人は自分の父を見た。二人の瞳には強い意志が宿っていた。本当にこれで終わらすからと語っている。  「綾と渉には、誰が犯人なのかもう分かっていると思う。けど、最後まで油断しないようにしなさい。これ以上、犯人であるその子に罪が増えないようにその子を必死で止めてあげなさい!」  「「はい!」」  「じゃあ、明日すぐに行動に移せるようなにか、合図がほしいところだな」  「携帯でいいだろう。合図があるまでは俺達大人組は学校には入れないわけだし。番号は俺から[[rb:秋於 > おまえ]]の番号を教えておくから、今のうち綾か渉から二人の番号を聞いておけよ、秋於」  「へいへい、分かりましたよ」  秋於は渉に話し掛けて綾と渉の携帯番号を聞いては自分の携帯に打ちこんでいた。  「僕にも手伝えること、あるかな?」  箕上刑事が綾に話し掛けてきた。綾は迷わず、あるお願いを箕上刑事に話をした。  「あのでしたら、箕上刑事にお願したい事がありまして」  「なんだい?」  「手紙を預かってきて欲しいです」  「手紙?」  「はい。雫が自殺する前に手紙を出していたみたいです。渉と簾堂刑事が調べて下さったので誰に届いているのかは分かっています。けど……」  「なにか問題でも?」  「はい。今回手紙を貰っているのはお二人。一人目はお手紙の内容を[[rb:私達 > ・・]]は知っています。問題はもう一人です。本人に確認したところ、手紙は貰っていないと」  「じゃあ、本当に貰っていないとか?」  「いいえ。、貰っていると思います。私も確認しましたが、その時は『貰ってないよ』と言われましたが同じ部活の子に協力して貰ったときには、態度に少し違和感があったと聞きました。なので何もなければ渡しても平気。それがないということは、何か隠したいことあるのかなとお思います。なので刑事である箕上刑事からその子からお手紙を借りてきて欲しいのです」  「分かった。やるだけやってみよう」  「ありがとうございます、箕上刑事。手紙を持っている人物はこの二人になります」  綾は箕上刑事に一枚の紙を渡した。綾が渡した紙には手紙を貰ったと思われる人物の名前があった。          ***  放課後。綾はまだ教室に残っていた。  「ねえ、あやっぺに若菜〜一緒に帰ろうよ。どうせ、部活がないんだし」  「ごめんね〜春奈」  「実はあるんだ」  「えっ!なんで!!」  「五時になんか部活の方で話し合いがあるみたいなの」  「でも、今って部活は禁止だよね?」    「うん。今日は特別に許されているみたいなの。小雪先輩からの話では?」  「そっか〜。部活が休みだから一緒に帰ろうと思ったけど、しょうがない一人で帰るか」  「ごめんね、春奈」  「いいよ。じゃあ、また明日ね」  「うん、明日」  「じゃあね~春奈~」  春奈は二人に一緒に帰ろうと誘ったが綾も若菜も五時に部活の集まりがあるので、春奈のお誘いを断った。今は、生徒が亡くなったことにより部活はすべて禁止となっているが、天文部だけが特別に許されたみたいだ。  それじゃあ仕方がないと一人で帰るねと教室を出ていった。  「五時まで時間あるよね〜。何して時間潰す、綾?」  「私、図書室に行ってくるよ。今日までに返す本があったのを忘れていたみたい」  「珍しいね。綾が忘れていたなんて」  「そうかな? ……まぁ〜色々あったから、そのせいかもしれないね。若菜はどうするの?」  「確かに……そうかも。ここにいるよ」  「ここに?」  「そう。今日なぜか宿題いっぱい出たよね。苦手科目の宿題出たからここでやっているよ。家だと集中しないし」  「それは分かるかも」  「だから時間が来るまでここにいる」  「分かった。じゃあ五時に部室でね」  「うん」  綾は教室から出た。綾は図書室に向かって歩いていく。 (若菜には、嘘ついちゃったなぁ~)    綾は図書室に向かって歩いているのは本当だ。でも、図書室で本を返すのが目的ではない。けど、実際に綾は本を持っている。  分厚い本二冊ほど。だから本を持って図書室に行くなんて言っても不思議に思わないだろう。  しかし、綾が持っている分厚い本は論文なのだ。近くで見せてもらえば違いが分かるくらいだから図書室に行く来ると言っても違和感がない。  それに図書室に行く理由があるのは嘘ではない。  綾は図書室の前の廊下で人と合う待ち合わせをしている。  「綾!」  「渉!」  待ち合わせをしていたのは渉だった。  ここで待ち合わせしたのは、誰にも聞かれたくない話をするためだ。教室では遅くまで残っている生徒がいてもおかしくないからとりあえず、放課後に前でと綾と渉は家で待ち合わせをすることを決めていたのだ。  綾と渉の二人は図書室前の廊下で合流した。  「まだ、は来ていないんだ」  「そろそろ来るんじゃあないの?」  どうやらまだ、ここで待ち合わせている人物がいるようだ。待ち合わせをしている人物が来るまで二人はこれからの流れを確認を始める。  「これお願いね、渉」  「分かった」  綾はずっと持ち歩いていた論文二冊のうちコピーの方を渉に渡した。原文は綾が持っている。    「渉……そっちはどう……心の準備とかできた?」  「大丈夫だ。綾は?」      
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