デートの約束

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デートの約束

「うわぁぁぁんっ」 わたしは家で号泣していた。 「いつまで泣いてるのよ、さくら。いい加減泣き止まないと溶けるわよ。」 遊びに来ていた親友の冬華(ふゆか)がお茶をすすりながら言う。 「だってぇぇぇっ」 鼻水を垂らしながら泣きじゃくる。 「もー」 冬華がティッシュを2枚取って渡してくれる。 「告白できなかったんだから 仕方ないじゃない。繋がりが切れたってわけじゃないわ。メッセージアプリで繋がってるんだし」 「そっか!」 なんで気づかなかったんだろう。 まだわたしの初恋は終わりじゃなかったよ! 「先輩にデートの約束を取り付けよう!」 「切り替え早っ」 えーと 先輩、今度の日曜に 2人で出かけませんか? これでよし! そ、そ、送信するよ! 冬華にアイコンタクトを送ると 彼女はコクリと頷いた。 送信っ!! 既読のつかない画面をじっと見つめる。 「さくら、すぐに返信が来るって決まったわけじゃないんだからそんなに見なくても。」 「あ、あはは」 呆れた様子の冬華に苦笑いをしてみせる。 ポロンッ 着信音が鳴りスマホをガン見する。 もしかしてデートのお誘い? 俺のこと好きなの?(ニヤニヤ) 顔が熱くなる。 心臓の鼓動が大きく鳴り響く。 ち、違いますっ 友達として遊びたいんですっ! メッセージを送る。 「素直じゃないわね」 冬華がニヤニヤしている。 ポロンッ 素直じゃないな 冬華が言った言葉と同じ文章にドキッとする。 な、なにをいってるんですかっ! ポロンッ なんでもなーい いいよ(にっこり) 行こうかデート(ハート) その日 わたしは悶え死んだ。 (死んでません)
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