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君に伝えたい
「佐山先輩と付き合うことになったの?!
やるじゃない!」
冬華が背中をバンバン叩く。
「痛いよ、冬華」
「カップル成立おめでとう!」
冬華がにっこり笑う。
あぁ、幸せっ!
わたしは笑い返した。
その日の夜、わたしと先輩は電話していた。
そうだ、わたし1度も先輩に好きって伝えてない。
わたしは「先輩」と声をかけた。
「ん?」
「す、す、」
「す?」
卒業式のときのやりとりを思い出して
口元が綻ぶ。
あのとき、言えなかった言葉を今伝えよう。
「先輩、大好きです」
恥ずかしい。
顔が熱くなる。
先輩はふふっと笑い
「知ってる」と優しく言った。
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