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俺は、どこにでもいる普通の大学生だ。
特に何も起こらない平凡な毎日を送っていた。
ーはずだったんだけど。
目覚まし時計代わりのアラームを、止める。
「ん……」
カーテン越しに朝日が差し込む部屋の中で目を覚ました俺は、寝ぼけ眼をこすりながら体を起こした。
「ふぁあ……朝か」
あくびをしながら、大きく伸びをする。
「……あれ?」
なんだろうこの違和感。なんか変だ。
……まあいいか。気にしても仕方ない。
そう思いベッドから降りようとした時だった。
部屋の隅に置いてあった姿見に映った自分の姿を見て、思わず固まった。
「…………え?」
そこに映っていたのは、小学生くらいの子供の姿だったからだ。
「なんだこれ!?」
思わず叫ぶ俺の声も甲高い子供のものになっていた。慌てて手や足を見てみるが、間違いなく子供のものだった。
いや待てどういうことだ? どうしてこんなことになってるんだ? 昨日寝るまでは何もなかったはずなのに……。
混乱する頭を抱えながらも、とりあえず現状を把握しようと必死に考える。そうだ、こういう時はまず落ち着こう。落ち着いて考えればきっと何かわかるはずだ。
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