#3

6/6
前へ
/100ページ
次へ
「でも、やっぱり今のままでもいいかも」 「は?どういう意味だよ」 「どんな裕樹も好きっていうこと」 「……」 なんかこいつ、こんなキャラだったけ?抜けてはいたけど、もっとクールな感じだった気がするんだけど。 「でも、元に戻れたら、その時はちゃんと約束通り、返事聞かせて欲しい」 信二は少し照れくさそうに言った。 「わかった」 俺は短く答える。 「ありがとう」 信二は微笑んで、ぎゅっと手を繋いできた。 「裕樹の手、小さいね」 「秒で約束破るんじゃないっ!」 「でも、このサイズだとハグしやすい」 手を繋いだまま、ぎゅーっと抱きしめられる。 「話を聞けっ!あと、離せ!」 「ねぇ、裕樹。キスしていい?」 「お前、絶対反省してないだろ!離れろってば〜!!」 俺の叫びは届かず、結局このあとキスもされたし、恋人繋ぎで家まで行かされた。 …けど、このことは誰にも内緒だ。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加