オオカミさんへの願い事

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幸いなことに、ここ数日雨は降っていない。 こっそりとベッドから抜け出した今夜も、まん丸なお月様と共にその周りではキラキラと無数の星が輝いていた。 「よーし...!」 冷えた手に、はぁっと息を吹き掛け僕はパンッと両方の手の平を合わせた。 「オオカミさんオオカミさん、お願い事を叶えて下さい!」 裸足のまま庭に立った僕は、お月様に向かって目を瞑り、大きな声で三回そう唱えた。...次の瞬間、 「わっ!?」 突如眩い光が辺りを照らす。 何が起こったのか分からず、僕はその場にしゃがみ込み、光を遮るようにパジャマの袖で顔を覆った。
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