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「おい、せっかく来てやったのいつまでしゃがんでいるんだ?」
気がつくと、先ほどまでの光は消えている。
恐る恐る顔をあげると、そこには白衣に身を包んだ見知らぬ男が一人、気だるそうに立っていた。
「あ...れ?オオカミさんは...?」
「俺がオオカミだ。俺のことを呼んだのはお前だろう?ちびっ子」
「ちびっ子じゃあない...よ」
確かに僕は他の同級生から比べると明らかに背が小さい。けれど他人にそう言われるのは癪にさわる。
口を尖らせ、僕は俯いた。
「本物のオオカミが月からやってくると思っていたのに...」
こんなにも失礼な大人の男の人が来るだなんて、予想外もいいところだ。
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