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お前はいつも、遅いんだよ(閑話)
前回のエッセイで、「All You Need Is Kill」を今年の6月になってやっと観た、という話題を上げました。なぜ今まで観なかったのだろう? と、我ながら不思議なほど面白い作品でした。
私は原作ラノベを読んでいないのですが、小畑健さんの漫画がどうやら原作どおりみたいなので、ストーリーは分かっているとして話します。
映画の方が面白い、というのは当たり前の話でしょう。「原作がある作品の映像化は難しい」と言われていても、なにせ関わった人数や時間、使われたお金が桁違いですから、マーケティングや細部の作り込みなどに差が生じます。しかも映像化の強みがある上に、生身の役者が演じることで、現実感も増すでしょう。
それらを除いたとしてもなお、映画の方が面白い、と思いました。ストーリーの違い、とくにクライマックスからエンディングにかけての違いが、私の評価を大きく分けたのです。ハリウッド映画は観客が作品を楽しめるように、受け手の理解度や期待するものをかなり意識して作られているのだなと感じました。
私も、「趣味で書いているのだから、自分の好きなように書けばいいんだ」などと言わず、せめて公募用の作品は読者視点をより意識しようと思いました。
私は流行に乗るのが遅いのです。……というか、たいてい乗れていません。今年は久しぶりに(※1)映画館へ足を運んだので、「シン・ウルトラマン」と「犬王」を観ることが出来ました。いつもなら、上記の件のようにブームが去った後で、「そういえばあれが観たかった」とか、「これを読みたかった」とか思いつくのです。
アニメに限って言うと、私は近ごろ評判の「アーニャ」の可愛らしさが分かりません。それどころか「ウマ娘」の良さも理解できないし、「呪術廻戦」すら観たことも読んだこともありません。(※2)
何故いきなりアニメか? と申しますと、最近アマプラで「攻殻機動隊S.A.C.」を視聴したからです。押井監督の劇場版は2作とも観たのですが、TVアニメ版は初視聴でした。
そこで気付いたのが、「多脚戦車がかわいい」ということです。なるほど、当時ぬいぐるみやらグッズが色々と出ていたのはこのせいだったのか、と納得しました。ほかにも色々と独自設定があって、テレビの視聴者向けに作られているのだなあと感心したのです。
同時に、「SFファンなら当然、知っているであろうこと」を知らずに、SFっぽいものを書いていた自分が怖くなりました。ちゃんと市場調査をしないと、自分の作品が見向きもされなくなるかも知れない、と思ったのです。
それでは今流行りの小説を読み、アニメを見まくるか……という訳にもいきません。
まずは、積まれている本を読むことから始めます。
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※1
シン・ゴジラ以来でした。
※2
「鬼滅の刃」だけは家族が見ていたのと、連載終了のおかげで全巻読みました。
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