斎藤上伝記

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{第一章「こちらは斎藤上」} 「ああああああ!」 奇声を上げる二人の影、それを見守る二つの影、影から見守る一つの影 …影から見守る影?それはただ暗いだけでは?正確に形容したらこれが一番正しいのだ 私は斎藤上、あの奇声を上げている影の一人目だ、その横にいる今にも人に襲い掛かってむさぼり食いそうな見た目、体格をしている彼は私の友、工夫創華(くうふうそうか)。影から見守る彼の親、工夫引力(くうふういんか)そして私の親、斎藤幸下(さちか)、斎藤右作(ゆうさく)。 ただ遊んでいるだけだ、ただ見守っているだけだ、ただ楽しかっただけだ、ただ幸せだっただけだ、ただ何も知らなかっただけだ。 あの時の私はただの赤ん坊のようだった あそこにいる人全員ただの無知な赤ん坊だったのだ だが今は違う
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