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彼の本心は?
─霜月(くらい)─
そうやって悩んだとしても、彼はなかなか答えてくれない。
そしたら、信じたくないが彼の本心が予想とは言え、わかるようになってしまった。
私の予想だけなら良いのに、クラスの人達が言うんだ。
「和斗は莉禮ちゃんが好きだと思う」
「和斗は莉禮ちゃんが好きじゃないと思う」
それを散々聞いたせいで、思い込みが強くなる。
─彼は私のことが嫌いなのか?
─だから、傷付けないように答えていない?
─それとも、周りの人の勝手な予想?
─ねぇ、教えて…和斗…。
もう、わかっているから。
でも、表には…彼の前には表さない。
だって、本人から聞いていない。
聞いてないのに、思い込みたくない。
ちゃんと、待とう。待てば、良くも悪くも、きっと答えてくれる。
私が噂を聞いていないって思ってくれてるはず。
彼が私のことを好きじゃないってことを、伝えなくてもわかるってこと、彼はきっと知らないから──。
だから…私は返事を待つだけ。
問い詰めなくていい。だって、
莉禮:知っていることを聞くだけ無駄でしょ?
だから私は話してくれることを待っていた。
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