彼の本心は?

1/2

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ

彼の本心は?

─霜月(くらい)─ そうやって悩んだとしても、彼はなかなか答えてくれない。 そしたら、信じたくないが彼の本心が予想とは言え、わかるようになってしまった。 私の予想だけなら良いのに、クラスの人達が言うんだ。 「和斗は莉禮ちゃんが好きだと思う」 「和斗は莉禮ちゃんが好きじゃないと思う」 それを散々聞いたせいで、思い込みが強くなる。 ─彼は私のことが嫌いなのか? ─だから、傷付けないように答えていない? ─それとも、周りの人の勝手な予想? ─ねぇ、教えて…和斗…。 もう、わかっているから。 でも、表には…彼の前には表さない。 だって、本人から聞いていない。 聞いてないのに、思い込みたくない。 ちゃんと、待とう。待てば、良くも悪くも、きっと答えてくれる。 私が噂を聞いていないって思ってくれてるはず。 彼が私のことを好きじゃないってことを、伝えなくてもわかるってこと、彼はきっと知らないから──。 だから…私は返事を待つだけ。 問い詰めなくていい。だって、 莉禮:知っていることを聞くだけ無駄でしょ? だから私は話してくれることを待っていた。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加