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 本当、情報だけてよかったの。元男娼の奴隷とかいらない。炎の上位互換、白炎なら何も残さず消してしまえるだろうか。  元男娼なだけあって中性的な綺麗な顔をしている。儚く微笑めば母性を刺激される人もいるだろう。  昨夜、周辺諸国の情報をダンジョン情報と一緒にもらい、冒険者ギルドの敷地内で〈ホーム〉のスキルを発動させた。  中はワンルームだか、外から見ると1人用のテントに見える。珠莉が内にこもったあと、いろいろと攻撃を仕掛けたがすべてムダで、中に入るのもムリだったそうだ。  実験結果として安全は保証されたが、勝手に実験しないでもらいたい。異常があったら恨んだわよ、と笑っておく。  そうして、昨日捕まえた人たちの償金をもらった。1人銀貨1枚らしい。 『本当は領主が出すお金だよ。でも、今回は捕まった組織が袖と下を渡して釈放されています。渡された償金は昨夜の組織のお金だよ』  犯罪がなくならないわけだ。  これで済めば、気持ちよくこの町を後にできたのだが、奴隷が押しかけてくる。  昨夜、1つの組織から一時的にとはいえ、30人以上の人が捕まった。構成員の数が数十人の組織にとっては致命的な数であり、それを好機とみた敵対組織に襲われたらしい。  その際、元奴隷と契約していた主印持ちがお亡くなりになった。  組織に戻りたくない男は衛生兵の詰所でゴネまくったらしい。元々が犯罪奴隷でも借金奴隷でもなく、犯罪被害者。まあ、組織にいる間にやらかしてはいるが、昨夜はなんの罪も犯していない。  なので、事情聴取に応じただけで、牢屋には入っていなかった。 「奴隷印消せるスキル持っている人かなり珍しいんです。消すための費用は稼ぎますので、どうかご一緒させて下さい」  昨日の怪しい雰囲気はなくなり、聞き分けのない駄犬のように擦り寄ってくる。 「費用いくらだ? 立て替えてやる。返ってこなくてもいい」  邪魔だからフライトはお金で解決しようとしたが、奴隷印がなくなっても組織のある町では生きていけない。  移動する先へと連れて行ってほしいとすがりつく。  それを冒険者ギルドでやっていたものだから、出勤してきた元同僚に見られた。 「先輩そういう趣味だったんですか? 遊び慣れている男に甘い顔したらダメですよ。サイフにされるだけですから」  遊び慣れている女の言葉が怖い。  まあ、ちょっと、次にたどり着く町までならいいかと絆されさになっていただけに、意識を改める。 「何かやらかされても困るし、管理するのも面倒だから、フライトさんと主従関係を結びましょう。そな間にお金を貯めてもらって、費用が貯まったら奴隷印を消します」  もう、Aランクの冒険者に全部任せてしまおう。 「あなたと主従を結ばすくらいなら、仕方ありません」  苦悶の表情を浮かべ引き取ってくれた。奴隷でも主の許可があれば、冒険者ギルドで登録できる。ついでだから登録してもらった。
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