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 もう、本当、嫌になるくらいマヨネーズがドロップしない。日に2回ボスに挑み3日もかかってしまった。  その間に町には戻っていない。ダンジョンのそばで野営した。〈ホーム〉は1人用なので、男2人で野営しているはず。  ときどきフライトはゴーレム騎獣で町に戻っているらしかった。  元男娼のネイトは、戦闘は得意ではない。しかし、魅了のレベルは高いらしく、10層しかないようなダンジョンのモンスターならボス以外は使役できるそうだ。なので、1人でダンジョンに入ってもいるそうだ。  早朝、3人でまずダンジョンボスを倒しに行く。リポップを待つ間、珠莉は〈ホーム〉にこもっていた。  その間に男2人はバラバラに活動して、珠莉が再びダンジョンに潜る頃には入り口で待ってる。 「1人で行きたいんだけど」  ドロップ品わけたくないから、むしろ1人で行かせてほしい。けれど、彼らは何もいらないからとついてくる。正直、邪魔だった。  そんな日々を繰り返し、やっと手に入れたマヨネーズ。かなり大量だが、ナビゲーターに預けておけば新鮮なまま保存できる。  マヨネーズはいずれ使い切るだろうが、2回ドロップしたケチャップは使い切れる気がしなかった。  けれど、調味料がダンジョン依存なので、確保はしておく。 「それでは、明日の朝移動します。道はないけど、進む方向はきめているから」  町より大事なのは食材。  しっかりと睡眠をとり、夜明けとともに出発した。ナビゲーターを羅針盤にして、ピンポイントでダンジョンを目指す。  移動中に薬草を見つければ、それも採取する。異世界のこの地域、今が秋らしい。冬になると取れる薬草が減るそうなので、見つけた時は得ていく方針だ。  賢者のスキルの中には調合錬金があり、素材さえ有れば薬が作れる。将来的には町でお薬屋さんもいいかもしれない。 『薬屋さんをやるなら、薬師ギルドに加入しないとダメだよ。作る薬も許可制です。国に登録が必要なことが多いよ』  どうやらあんまり自由な職ではないようだ。未来の予定から削除しておく。 『町で店を待つなら、何かしらのギルドに加入しなくてはいけないよ。お金も大事だけど、コネも大事になります』  異世界人にコネは厳しそう。 『Aランクの冒険者なら貴族に知り合いくらいいるはずだよ』  ちらりとフライトと視線を向けと、目が合った。頬を染め、もじもじされる。  冒険者としては優秀な中身乙女か。たぶん、趣味も特殊。そんな人に熱い視線を向けられていることからは目を逸らす。  きっと、一過性の熱病。そのうち治ってくれ。  食材のこともあるし、しばらくは冒険者でいい。観光がてら、異世界を旅させていただきましょう。
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