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 3週間近く歩く魚ダンジョンに滞在し、次のダンジョンへ向かう。目指すはオーク王国ダンジョンだ。  名前のとおり、オークがたくさん出てくるダンジョンだが、四つ足の家畜系のモンスターも多い。お肉がドロップすると人気で、全83層のどこでも冒険者がいる。  深い方が少なめなので、3人で1度ダンジョンボスを討伐しま後は70層より先で活動していた。  ここでの狙いは肉よりレアドロップ品の乳製品だ。ミルクやチーズ、ヨーグルトなんかもドロップする。珠莉としてはチーズとバターと生クリームを多めに確保したかった。  革製品も多いようで、防具類もドロップするそうだ。  ここでも単独行動するつもりだったのに、フライトにダメ出しされる。よその冒険者がいなければいいが、いた場合巻き込み事故を起こすと単独行動を禁止された。  どこにでも冒険者がいるのが悪いと思う。けれどモンスターハウスにあえて入るような冒険者は少数派らしく、モンスターハウスとフロアボスとダンジョンボスを巡回することにした。  フロアボスはリポップ時間の頃に取り合いなので、安定的に狩れるのは80層のフロアボスとダンジョンボスだけになる。  思うように狩れないあげく、ドロップ品はパーティーで分けなくてはいけない。2人は優先的に珠莉に食材をくれるが、狙いが肉ではなくレア品の乳製品なので、集まりが悪い。  このまま長居しても効率はよくならないし、再びやってきた月のものが終わったら移動することにした。  冬の気配が近寄ってきており、逃げるように南へと移動する。目指す先は収穫の平原ダンジョン。  麦や大麦がドロップするダンジョンで、製粉された物もある。少量ではあるが、豆や米もドロップするらしい。  これで主食の芋か、かた焼きパンから解放されるはずた。  畑で普通に収穫が終わった時期にはあまり人気のないダンジョンらしく、40層を超えたらモンスターの取り合いという状況ではなくなる。  狼系の魔物を倒して、焼き立ての食パンがドロップした。風の魔法で薄切りにしてサンドイッチを作る。  マヨネーズとレタスとハム。全部ドロップ品だ。ダンジョン内でお手軽に作って食べていたら、2人も欲しがる。仕方なく作った。  踊る野菜ダンジョンでマヨネーズを欲しかった気持ちを少し理解してくれる。 「オーク王国でもっとチーズが手に入っていたらホットサンドにしたんだけどね」  3人で食べたらすぐなくなってしまう量しか得られなかった。 「チーズが手に入るダンジョンは他にもあったはずだ」 「作り方教えてもらえば僕、作りますよ。お姉さん」  どうやら2人も食べる気になっている。そのためには食パンも必要だ。かなりのレア品のようだが、2人とも頑張ってくれるらしい。  いつもどおり1回ダンジョンボスを3人で倒し、あとはバラバラに活動する。1週間ほど滞在して、近くの町へ向かった。
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