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 町へ入る時と冒険者ギルドでの対応はAランクさまに任せる。どっちも優遇されるそうで待ち時間はほとんどなかった。  倉庫に案内され、売りたい物それぞれが出していく。初めの頃はネイトの荷物をフライトが持っていたが、どこかで大容量のアイテムバックを手に入れたらしい。  今はもうネイトも自分でドロップ品を持っており、3人バラバラでの精算してもらう。 「普通、奴隷の主は売上なんて全部取り上げるものです」 「自分で稼げるから必要ない。お前はとっとと金貯めろ」  そういえば、奴隷印消す時の相場っていくらなんだろう。 『時価相場です。あんまり安いと利用しようとする人に集られるよ。でも、こそっそりやる分にはいくらでも問題ないです』  なら、どうしょう。 『奴隷の主人と奴隷が望む額でやればいいよ。あちらはあちらで額を想定していそうですから』  それなら、本人たちの望む額にすればいいか。自分で決めるよりも気楽だ。  精算を待っている間に冒険者カードを預かると言われた。珠莉とネイトはランクが上がるらしい。  フライトは冒険者ギルドとお偉いさんと話があるらしく、別行動となる。ネイトと2人で冒険者ギルドの売店へ行く。 「何かお探しですか?」 「瓶や鍋はあるかしら? その材料でもいいですが」 「鍋も瓶もこっちにあるよ。いくつ欲しいんだ?」 「えーと、1ついくら? 買えるなら100くらい」 「あんた、そんな量がほしいなら商業ギルドへ行きな。売り切れになるような買い方は迷惑だよ」 『商業ギルドへ行くなら冒険者カードがあった方がいいよ。信用がないと取引してもらえません』  仕方なく、冒険者カードができるまで待ち合いロビーで待つ。 「お姉さん、そんなにたくさんの瓶や鍋で何をするの?」 「ジャムの作り置きと料理の作り置きをしたかったの」 「ふーん、ならそういうのが手に入るダンジョン行こうよ。素材でもいいんでしょ」  無料解放情報のファイルにネイトは手を伸ばし、パラパラとめくって1つのダンジョンを示す。 「良く知ってたわね」 「ダンジョン前で夜営していた冒険者は僕らだけじゃないから」  珠莉の知らない所で交流があったようだ。 「お姉さん、飲み物代だしてもらえる?」  可愛らしく首を傾げておねだりしてくる。 「出すのはいいけど、これがダメな男にハマる瞬間なのかしら?」 「僕、今まったく現金もってないの。食堂に移動した方がダンジョン情報得られそうだから誘ったたけだから」  年下の男に、可哀想なものを見る目を向けられる。 「お姉さん、都合のいい女にも可哀想な女にも、なれる才能ないよ」  どういう意味だろう。なんとなく、褒められていないのはわかる。 『おひとりさまに恋愛は難しいよね⭐︎』  ナビゲーターにイラッときた。
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