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踊りながら野菜型モンスターがやってくる。上の層で見たのより大きく、数も多い。距離があるうちに、異世界初魔法を試し打ちさせてもらう。
職業、賢者。賢者スキル4属性魔法、火、火弾。
直径1メートルくらいの火の玉がモンスターの集団を焼き尽くした。
『オーバーキルだよ。魔力量をもう少し絞りましょう。大丈夫、魔力操作スキルあるから、直ぐに覚えられるよ』
ナビゲーター、とっても応援してくれている感じはするけど、直径1メートルの火の玉って、もう少し絞りましょうって規模なんだろうか。
やっぱりちょっとじゃなかった。
十数発打ってやっと手の平サイズの火の玉になる。なんか、貫通力が上がったみたいだけれど、周辺に火をばら撒くよりはマシなはず。
少々、オーバーキルでも食材は手に入るからいいとしましょう。葉野菜も根菜も芋も果実もたくさん手に入った。
それらは全部ナビゲーターに持ってもらっている。普通の野菜より高く買ってくれるらしいが、売る予定はない。
野菜より数はすくないが畜産系のモンスターも出る。おかげで肉も確保できており、レアドロップで卵やミルクもある。
どれが美味しいのか謎だが、食中毒を心配しなくて済むだけでもありがたい。
肉より貴重なのが香辛料モンスター。こいつらから調味料がドロップする。
下層の方がレアモンスターが出やすいとのことで、どんどん下へ降りていく。ときどき、罠かなという物もあるが、避ければ問題はない。
9層にてモンスターハウスに引っかかっる。100を超えるモンスターに囲まれたが、火の上位互換、炎の弓10発で倒せた。
『同行者がAランクでよかった。弱い人なら燃えてます』
ナビゲーターには嘆かれたが、フライトは気にしてなさそうだからいいだろう。それよりも大量の食材が喜ばしい。レアドロップもある。
そしてモンスターハウスのクリア報酬なのか、宝箱が出現した。
『宝箱は鑑定してから開けてね』
宝箱型の罠というのもあるらしい。今回は大丈夫とナビゲーターが鑑定してくれたので、さっそく開けた。
『買い物袋型のアイテムバックです。容量は白菜が40コ入るくらいです』
かなりはいるようだが、なぜ基準が白菜なんだろう。
この買い物袋、普段使いにしたら目立つのかと問えば、鑑定持ち以外には目立たないとのこと。アイテムバックの特性として重量は感じさせないらしい。
お金に困ったら売るとして、そうでなければ普段使いにしよう。ただ、今は手に持っていると邪魔なのて、ナビゲーターに預けた。
ここまでくれば、当然として10層に向かう。10層にあるのはボス部屋だけだ。
階段を降りた先に、装飾された大きな扉があり、取手に触れると自動ドアのように開く。
でかいトマトぽいのと大根ぽいのがいた。
火の槍をそれぞれに放てば、ダンジョンボスが消えていなくなる。後にはドロップアイテムと宝箱が2個残されていた。
ドロップアイテムが種と野菜と魔石をそれぞれから得られ、レア品としてトマト型ラグと大根型寝袋が出た。1つ目の宝箱は携帯コンロと鍋にもなるフライパン。2つ目の宝箱は油と塩とお酢が入っていた。
そういえば、砂糖はドロップしたが塩やお酢はモンスターからドロップしていない。しかし、ここまでそろうと、みりんや醤油、味噌も欲しくなる。
『文化圏が違うからこの辺りのダンジョンでは手に入らないよ』
手に入る地域へ移動しよう。珠莉は強く決意をした。
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