おめで糖

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貧乏暇なし、仕事に追われる毎日。 職場は仕事の上だけの人間関係。 盆も正月もクリスマスも関係ないさ。 日々、真面目に一生懸命働くうちに。 瞬く間に一年は過ぎて、また二月が来た。 「おっ?」 そしてあのキャンディ「おめで糖」を、俺はあのスーパーで見つけた。 最後の一袋だった。 どうせ舐めるなら旨い方が良いと、あれからいろんな所で探したがどこにも売っていなかった。ネットでも見つからず、俺の中では幻のキャンディになっていた。 だいたい、食品だから袋に原材料や作った会社名を記載しなければならないはずだが、それが無かったのだ。ちょっと怪しくもあるが…… 迷わずそれを手に取る。 値段は去年と変わらないが、中身は少し減っている。よくある話だ。中身を減らして、女性やお子様にも……って奴だな。 去年と同じ陰気そうな店員に、どこが作っているのか尋ねてみる。 「有名な〇〇の商品です。特別な材料を使っているので、あまり生産していませんが」 特別な材料、そうかもな。 帰ってさっそくそのキャンディを舐める。 今回は一辺に全部なんて贅沢はしないぞ。 そして有名な〇〇のホームページを調べてみたが、そんな商品はない。 次の日スーパーに寄ってみたが、当然の様に「おめで糖」も、あの店員の姿もなかった。
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