おめで糖

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貧乏暇なし、仕事に追われる毎日。 職場は仕事の上だけの人間関係。 盆も正月もクリスマスも関係ないさ。 日々、真面目に一生懸命働いた。 いろんな事があったと思う。 いや、あったのだろうか。 何もなかった様な気もする。 瞬く間に一年は過ぎ。 風の様に十年が過ぎ。 そして…… 「おっ?あんたは……」 昔、スーパーがあった場所をたまたま通ると、陰気そうな男が立っていた。 「お久しぶりです」 そう言いながら差し出すのは、あの幻のキャンディ、「おめで糖」。 「おお、懐かしい。良いのですか?」 どうぞ、とすすめられて俺は久しぶりにその上質な甘さを味わった。 「心に染みる程美味しいキャンディだったでしょう?それが最後の一つです。特別な材料を使っておりまして……」
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